日常で、最低限のものしか持たない概念を持った人を、ミニマリストといいます。

わたしもミニマリストです。
ミニマリストになるためにはまず、たくさんの物を捨てます。そうやって持ち物を減らしていく。
減らしただけでなく、「買わない」が基本。
こうやって、なるべくモノに依存しすぎない暮らしを目指します。また、人によっては、「自分にとって必要なもの」であれば、たくさんモノを持っているミニマリストの方もいます。
人によって持つ個数は違いますが、少ないほど「良い」とされている気がしなくもありません。
今回はこの「ミニマリスト」が行き過ぎてしまった例を紹介します。
ミニマリストという概念に振り回された結果…
ミニマリストはあくまで、自分の生活を良くする概念のひとつなのですが、人によっては、やりすぎてしまいます。
かくいう私もそうでした。
- 人生を良くするために、ミニマリストを取り入れる
- 物を減らすことにこだわって、「ミニマリスト」そのものを目指す
誰しもが、ミニマリストを取り入れることによって、人生が良い方向へ変わっていくだろうな!というワクワク感を持って、モノを手放していくと思います。
しかし、だんだんとそれが行き過ぎてしまって、「ミニマリスト」という言葉に取り憑かれてしまうんですよね。
よく、「パートナーのものを勝手に捨てて怒られ、そのまま離婚となった…」とか、聞いたことないですか?

私も、人のモノを勝手に捨てたことがあります。
今では本当に反省しています。信用を失いました。
ミニマリストをやっていると、モノを減らして少なくしていくことに快感を覚えるのですが、もはや「捨てる」というものに執着してしまって、「次は何捨てよう」とか四六時中考えていたり、他人にモノを捨てさせようとしたり…
そうやって「やりすぎミニマリスト」がこじれると、結果的に自分に残るものは、薄っぺらいものになってしまいます。
ミニマリストが目的になってしまうと、残るものは薄っぺらい
私はもともとマキシマリストでたくさんのモノを持っていたのですが、ミニマリストという概念を知ってからは、「減らす」という心地よさに衝撃を受け、たくさんのものを処分してきました。
しかし、ある程度モノを減らすと、次は「ミニマリストらしいもの」を揃えるようになります。
例えば、白系のもの(家具や持ち物など)、ミニマリストがよく持っている家電(マルチクッカーやMacbookなど)、捨てては、ミニマリストらしいもので買い揃えるようになり、たくさんの出費をしてしまいました。
自分にとってのミニマルさ、というものを一切考えず、SNSなどで知ったミニマリストを真似するだけの暮らしでした。
こだわりはどんどん強くなり、出費もどんどん増えて、収集がつかなくなりました。
今思えば、「ミニマリスト」という言葉にただ踊らされていただけなんだと思います。
一生終わらない「ミニマリストを目指す旅」が、苦しかったです。
なにがミニマリストで、なにがミニマリストじゃないのか
もうこれ以上、有名ミニマリストが持っている”高級で良いもの”を真似して買い続けると、破産してしまう…
そう思った頃、ふと、稲垣えみ子さんという方の本が目に入ったんです。
その方は、どれだけ光熱費を減らせるかという挑戦をしていたら、いつの間にか、ちまたで言う「ミニマリスト」になっていました。
冷蔵庫すらなく、掃除はほうきで。電気も契約してないそう。さすがに、私達がそこまでやるには難しそうですけどね。
でも、稲垣えみ子さんは「わたしはミニマリストです」とは言っていないんです。
その本を読んでからは、なにがミニマリストで、っていうのが分からなくなりました。
このとき、「もう、ミニマリストではなくて、自分にとって過ごしやすい環境にしよう」と思えたんです。
ミニマリストの呪縛を解く
そう思ったら、「今自分が持っているモノ」が急に愛おしく思えて、大事に使っていこうと思い、物を捨てる速度も減りました。
- 白い色で揃えなくてもいい
- いろいろな形でもいい
- 便利だったらキャラクター物だって使う
- 家電製品は、ハイスペックでなくてもいい
- 無理やり、「ていねいな暮らし」をしなくていい
- 捨てないで取っておいてもいい
- 必要なものであれば、買ってもいい
…このように、色々な「こうじゃなくてもいい」といった、許しのようなものを自分にほどこしていきました。
張り詰めていたものが、パーン!と弾けたような感じです。
それからは、捨てるのではなく、自分にとって「ちょうどいい」というものを求めるように。
高級でなくても、古いものでも、自分にとって必要であれば持っていても買ってもいい。
もう、「誰かが考えたミニマリスト」を真似しなくてもいい。
そう思えると、本当にふっと肩の力が抜け、心地よく生きられるようになれますよ。
まとめ
もし今の自分が、誰かが考えたミニマリストを真似しすぎていたり、人の物を勝手に捨てようとしていたら、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
どうしてミニマリストになりたいのでしょうか?
そこまであなたを追い詰める理由はなんなのでしょうか?
ミニマリストは目指す目的ではなくて、取り入れると人生が良くなる「概念」のはずです。
「ミニマリストになる」ということが最終目的になってしまうと、「捨てる」「ミニマリストらしい物を買う」というループが止まらなくなり、こだわりが強くなり、だんだんと苦しくなってきます。
人の物まで捨てたくなり、人間関係も悪くなっていくかもしれません。
「ミニマリスト」ではなく、「あなたが心地よい暮らし」を目指すようにしてくださいね。

私も今は、物は少ないし、結果的にミニマリストではあるけど、
「ミニマリストを目的」とはしていません。
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