「ポジティブ」って一見、いい言葉なのですが、
それは使いようによっては、すごく嫌な気持ちにさせてくるものだと思うんです。
例えば、家族や友達に、
どうしてそんなに暗い顔してるの?
人生一度っきりだよ!もっと明るくポジティブに行こうよ!ね?
…と声をかけられたとします。
これって、つらくないですか?わたしは、とても辛く感じるときがあるんです。
ポジティブを押し付けてくる人の心理とは?
「ポジティブになろうよ!」と言ってくる人の心理とは…
その人自身が、現在、ポジティブな気持ちにあること、ということです。
そして、そのポジティブさが溢れ出てきてしまって、自分の器だけだとこぼれてしまう。だから、そのこぼれた分を、あなたにも分け与えているイメージです。
(実際、言ってくる人はここまで考えて言ってきているわけではありませんが。)
つまり、「わたしがポジティブだから、あなたもポジティブになろう」とか、「ポジティブっていいよ!あなたもそうなるといいよ!」とか、そういったものです。
これが、人によっては、受け取り方がいろいろです。
- 良いなぁ〜!わたしもそうなれるように頑張るね!…と思う人と、
- それってポジティブの押し付けじゃん…ちょっと、しんどいな…と思う人。
どちらが正解、どちらが間違い、ということではないと思います。
人間は、ずっとポジティブではいられない
人間の脳は、ひとつのことをずっとやり続ける、ということが出来ません。
ですので、これはポジティブも同じなんです。これからの人生、ポジティブとして一生を過ごすことはできないのです…。
だから、「ポジティブに行こうよ!」と言っているあの人でさえ、ポジティブじゃないとき(つまりネガティブなとき)もあったりする。
ポジティブになろうよ!と押し付けてきたあとに、ネガティブに落ち込んでしまうこともあるんですよね。
ポジティブとネガティブを繰り返すのが、人間の本能(特徴)でもあるのです。よかったら、このことを覚えていてくださいね。
どうして押し付けと感じる?
とはいえ、「ポジティブになりなよ!」「ポジティブっていいよ!」と押しつけられると、困ってしまいますよね。
また、ポジティブの押し付けは、家族や友人だけから言われるものだけでもありません。
最近はSNSや広告、ニュースなどでも、「いきいきとポジティブに見える人」を、良いものだとして掲げたりして、あたかも「そうなりなさい」と突きつけてくるようなものもあります。
それを聞いたあなたは、こう思っているのではないでしょうか。
ポジティブになんて、なれないよ…
押し付けられるのは、うっとおしい!
…けれど、やっぱりポジティブでいなきゃいけないのかな?
ポジティブじゃないと、だめ人間ってことなのかな?
こんなふうに、不安になってしまいますよね。
けれども、あなたがポジティブじゃなくたって、良いと思うんです。
「ポジティブ」に悩むあなたは、誰よりもスゴイ
あなたは、他者から「ポジティブになりなよ!」というふうに言われて、そうなれない自分に負の感情を抱いています。
そうなれない自分への焦り、知った口を聞いてくる友人(家族)への苛立ち、そういう発信(SNS)へのうっとおしさ。
でも、そもそも、考えてみてください。
ポジティブになれなくて落ち込んでいるのであれば、「ポジティブになろうと努力している」というあなたが存在していることを。
それって素晴らしいことだと思うんです。
きっと、向上心が強い方なのでしょう。でも、そういう想いは、自分に「だめ人間」とレッテル貼りをしてしまう、ということもあります。
ポジティブじゃなくたって、いいじゃないか
今後、ポジティブを押し付け、と感じられたときは、すこし立ち止まって考えてみてください。
- ポジティブで居続けることは、人間の機能として、不可能
- 押し付けてきた友人(家族)も、ネガティブなときが絶対にある
- ポジティブにもネガティブにもならなくてもいい(中立)
やっぱり、「ずっとポジティブな人」が、社会的にもなんとなく、「成功している」みたいなイメージが根強いですよね。
そうならなきゃ、っていうプレッシャーをすごく感じてしまいます。
でも、ずっとポジティブでいることは不可能です。もしできる人がいたら、それはそれで、スゴイ…。(と思うしかありません…)
あなたは、ポジティブにならなくてもいい。
余裕があれば、ポジティブになってみようかな〜とか、ネガティブから抜け出してみるかとか、考えてみてもいいと思います。
けれども、基本は、「中立」を目指すとよいと思います。
孔子に由来する儒教の言葉に、「中庸」(ちゅうよう)というものがあります。
意味は、「かたよりがなく、いつもかわらないこと」ということです。
「ポジティブになりなよ!」と言われたら、
「自分にとって、中間が一番心地いいから〜」と、やんわり回避するのもいいと思います。
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